テクニカルインフォメーション - テキスト版 -
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自動車専用運搬船のLiftable Car Deck点検の注意点に関して
本年に入り、自動車専用運搬船(以下PCCと略す)のLiftable Car Deckに関わる重大な事故(以下の事故例1および2参照)が報告されております。従来、PCCではラッキングによる損傷の有無に検査の重点がおかれ、船体構造に直接関わらないLiftable Car Deckについては、特に異常が無い限り、現状の確認や外観検査を中心に行われておりました。今回の事故は今までに経験したことのないものでありますが、その損傷形態を明らかにし、有効な検査方法と対策について検討しましたので、お知らせ致します。
(事故例1)
Liftable Deckを支える支持金物の破断や支持部材周辺部において亀裂が生じた。
(事故例2)
Liftable Car Deckのデッキプレートとトランスウエブがトランススパン中央付近で座屈し、その結果、桁としての強度が大きく低下し、リフタブルカーデッキ全体の大きな変形となった。
(事故例1)の支持金物の破断については、Liftable Deckの支持金物にノッチがあり、そこを起点として亀裂が進展し、支持金物が最終破断に至ったことが原因であることが判明しております。また、支持部材周辺のピラー部及びトランスとガーダの交差部で亀裂が生じた例があります。
(事故例2)では、乗組員の証言を参考に事故時の海象を想定し、船体運動計算を行った結果、損傷の発生した位置では1.5G程度の加速度が生じると推定しました。損傷当時は台風の影響を受けた複雑なうねりが発生しており、このように厳しい波浪条件においてはさらに大きな慣性力を伴った荷重がデッキに作用した可能性があります。一方、大変形に至るメカニズムを明らかにするためsimulation解析を実施し、デッキトランスのスパンの長い、ある特定のLiftable Deckにおいてデッキトランス中央部付近にて大きな変形が生じることが解明できました。(図1参照)このように大骨の強度が急激に低下した原因としてデッキの座屈及びトランス部のウエブの座屈が発生したことが考えられます。(図2参照)
またトランスウエブとカーデッキのタック溶接に亀裂が生じたり、外れた場合はトランスウエブの座屈強度はさらに低下することが判明しております。(図3参照)
以上のようなリフタブルデッキの事故を未然に防止するため、あるいは損傷を早期に発見するため、検査の注意点について添付のような指示を検査員にしております。船舶所有者殿及び船舶管理会社殿におかれましても点検等で注意を払っていただきたく、お願い致します。
(次頁に続く)
なお、本件に関してご不明な点は、以下の部署にお問い合わせください。
財団法人 日本海事協会 (ClassNK)
本部 管理センター 検査技術部
住所: 東京都千代田区紀尾井町4-7 (郵便番号 102-8567)
Tel.: 03-5226-2027 / 2028
Fax: 03-5226-2029
E-mail: svd@classnk.or.jp
添付:
1. 定期検査あるいは中間検査(入渠時)におけるPCCのLiftable Car Deckの検査注意
ClassNK テクニカル インフォメーション No. TEC-0484
添付1.
定期検査あるいは中間検査(入渠時)におけるPCCのLiftable Car Deckの検査注意
定期検査あるいは中間検査(入渠時)においてリフタブルデッキの落下事故を未然に防止するため以下に注意して検査すること
1. リフタブルデッキの支持金物及びその近傍について
(1) リフタブルデッキはデッキプレート、トランス、ガーダー、ロンジ等からなる十分剛性を有する構造体であるが、4点乃至は6点で支持されている。その支持金物であるブラケットやブラケット取付け部は強度上厳しい状態になることから周辺部を含め、精査し、傷や亀裂が無いことを確認する。
(2) リフタブルデッキの支持点周辺におけるデッキガーダやデッキトランスの交差部及び応力集中部で亀裂が発生していないことを確認する。
2. デッキプレートとデッキトランスの溶接部について
デッキプレートとトランスウエブの溶接部に異常が無いこと。特にタック溶接の場合に発錆、亀裂、破断(写真1参照)等がないか確認する。
3. リフタブルデッキのトランスウエブの変形
トランスウエブの異常な面外変形や縦桁との取り合い部に異常がないか確認する。
4. リフタブルデッキプレートの変形
長年就航している船舶の