テクニカルインフォメーション - テキスト版 -
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船舶・設備の保守不良に起因するISMコード上の不適合に関するPSCによる是正措置の要求について
最近、PSCにより船舶・設備の欠陥が原因で拘留された船が、欠陥を修復し拘留を解かれても、ISMコード上の不適合に対する是正要求項目は依然として残っていることに対する疑問及び問合わせが多く寄せられています。その内容は、大きく分けて次の二点となっています。
1. 指摘された欠陥は全て修復し、拘留も解かれ、船も出帆しているにも拘わらず、何故是正処置が要求されるのか?
2. どのような是正処置を取ったらよいのか?
船舶・設備の欠陥が原因でPSCにより拘留処分を受けた場合、ISMコード発効以前は指摘を 受けた欠陥を修復し再検査(通常、船級の検査員に委任される場合が多い)の上、良好と認められれば拘留は解かれ、問題は全て解決していたわけですが、ISMコード発効以後は多くの場合、それだけでは済まなくなって来ています。船舶・設備の欠陥が何ら手当てもされず放置されていたということは、メンテナンスシステム、即ち、本船及び会社による検査・点検、報告、是正、記録の 全般又はその一部が機能していない結果であると解釈され、Action Code18の処置(3ヶ月以内の是正)が要求される傾向となっています。
品質システム上では、欠陥を修復したからといって『是正処置』が完了したことを意味しません。
このような修理、修復は一般的に『処理』と称され、『是正処置』とは厳密に区別されます。
是正処置には、指摘をうけた不適合の調査・解析の結果から導きだされたシステムの改善策を盛り込むことが重要です。これは、Hardwareの欠陥ばかりではなく、Softwareの問題にも当てはまることです。
例えば、実施された操練がLog Bookに記載されていないという不適合に対する是正処置も、ただ操練を記録したLog Bookのコピーを添付しただけでは完了したことにはなりません。乗組員がなぜ記載しなかったのか、その原因を除去するような方策が含まれていることが必要となります。
次に、保守不良の不適合に関する是正処置の具体策についてですが、各会社、各船共不適合を指摘されるに到った事情が異なり一概にはいえませんが、調査・解析結果を基にしたメンテナンスシステムの見直し、具体的には該当する手順の見直し又は新たな手順の制定が考えられます。
また、Shore Managementサイドが本船のPSC Detentionを重く受けとめ、社内で安全管理 システムの見直し会議を開き、本件に関する是正処置を検討したといった、社内での対応の証拠(例えば、会議の議事録等)を本船に備えおき、船長が次回の寄港の際、その経緯をPSC検査官にスムーズに説明出来るような態勢を作っておくことも、大切なことであると思われます。
結論として、PSCによる拘留への対処としては、拘留を解くための技術的欠陥の修復だけではなく、欠陥発生の根本原因を除去するためにISMコード関連不適合を是正し、その記録を会社並びに本船に確実に保管しておくことが重要と考えます。
以上、ご参考までにお知らせします。
本件に関し、ご不明な点がありましたら、本会船舶管理システム審査室(Tel.: 03-5226-2034/ Fax: 03-5226-2030)までお問合せください。
敬具