Press Release
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常石造船とMærsk Mc-Kinney Møller Center for Zero Carbon Shippingによるカムサマックス・バルカーのメタノール二元燃料改造コンセプトにAiPを発行 ~既存船の代替燃料化に貢献~
2025年4月4日
一般財団法人日本海事協会(ClassNK)は、常石造船株式会社およびMærsk Mc-Kinney Møller Center for Zero Carbon Shipping*1が共同で開発を進める、従来の重油を燃料とするカムサマックス・バルカーを改造したメタノール焚き二元燃料船の設計コンセプトに対し、基本設計承認(AiP)*2を発行しました。当該サイズのばら積み貨物船は現在広く運航されているため、本改造の規則面での実現可能性を確認した本認証は、既存船隊の代替燃料化を進める上で重要な一歩となります。
本コンセプトは、既存の重油焚きのばら積み貨物船のメタノール二元燃料仕様へのレトロフィット(改造工事)を検討するMærsk Mc-Kinney Møller Center for Zero Carbon Shippingのプロジェクトの一環として開発されました。このプロジェクトでは、常石造船のカムサマックス・バルカー標準設計をベース船として新たに設置するメタノール燃料タンクの位置決定などレトロフィットに伴う課題に取り組み、代替燃料化モデルを確立することを目指しています。
本会は本設計コンセプトに対し、「代替燃料船ガイドライン」の「A部 メタノール/エタノール燃料船の安全に関するガイドライン(第3.0.0版)」および関連の鋼船規則に基づく審査に加え、リスク評価(HAZID)を通じた安全性検証の結果を踏まえ、メタノール燃料タンクや燃料供給設備の配置といった主要な設計要素について規則適合性の観点における実現性を確認したことからAiPを発行しました。
新たな技術開発や社会実装に対し、本会は安全性評価をはじめとした貢献に引き続き努めてまいります。
以上
*1 海運業界の脱炭素化を促進することを目的に設立された非営利の独立研究開発機関。本会はMission Ambassadorとして参画している。詳細はウェブサイト参照。
*2 設計初期の段階あるいは特定の実装対象船舶が決定する前の段階で、国際条約や船級規則など既存の規制に基づき、設計を審査し、要件への適合の証明として発行する。後工程における規制面の手戻りの防止や、船級登録時の審査時間の短縮につながるとともに、設計状況の対外的なアピールの技術的根拠として活用することが可能となる。詳細は本会ウェブサイト参照。
メタノール二元燃料船改造後のイメージ図(提供:常石造船株式会社)
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E-mail: tsd@classnk.or.jp
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