Press Release

標題:
サムスン重工業の自律運航支援システムにAiPを発行

2024年10月30日

一般財団法人日本海事協会(ClassNK)は、サムスン重工業が開発したセンサー融合および航海用電子海図情報に基づく状況認知、衝突および座礁リスク分析、衝突および座礁回避の機能を含む自律運航支援システムSamsung Autonomous Navigation Assistance System(SAS)に対し、基本設計承認(AiP)を発行しました。

本会は自動運航、自律運航技術の開発および実装を安全性確保の観点から支援すべく、さまざまな実証プロジェクトに関与し、それらで得た知見を踏まえ概念設計、設計開発、搭載、運航中の保守管理の各ステージにおける要件を網羅的にとりまとめた「自動運航、自律運航に関するガイドライン」を発行しています。

サムスン重工業により開発された自律運航支援システム(SAS)のコンセプト設計に対して、本会は上記ガイドラインの要件に基づき安全性評価を実施しました。システムにより自動化されるタスクの明確化、およびバックアップ体制などに関する要件への適合が確認されたことから、この度AiPを発行しました。なお、SASに対しては「技術認証ガイドライン」に基づくTechnology Qualification(TQ)*1の付与に向けた審査も進めております。

本会は引き続き先進的な取り組みへの基準提供、技術検証を通じ、自動運航、自律運航技術活用の環境整備に努めてまいります。

以上

*1技術認証(Technology Qualification: TQ)
既存の規制の適用が困難である新規の概念や設計に基づく技術を対象とし、当該技術の新規性に付随するリスクと課題の特定、対応した安全対策の審査を通じ、定められた使用範囲内において信頼性をもって機能することを確認した上で、技術認証を発行する。技術認証は、新技術に対し、既存の規制などで設計された技術と同等の許容可能な安全性が検証されていることを示すものとなる。

AiP証書手交式の様子


基本設計承認(Approval in Principle: AiP)について:
設計初期の段階あるいは特定の実装対象船舶が決定する前の段階で、国際条約や船級規則など既存の規制に基づき、設計を審査し、要件への適合の証明として発行する。後工程における規制面の手戻りの防止や、船級登録時の審査時間の短縮につながるとともに、設計状況の対外的なアピールの技術的根拠として活用することが可能となる。詳細は本会ウェブサイト参照

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