Press Release

標題:
国際民間航空機関(ICAO)からCORSIA適格燃料の認証スキーム(SCS)として承認

2024年11月7日

一般財団法人日本海事協会(ClassNK)が申請していたCORSIA適格燃料*1 (CEF:CORSIA Eligible Fuel、以下「CORSIA SAF」)のサステナビリティ認証スキーム(Sustainability Certification Scheme、以下「SCS」)が、国連の専門機関である国際民間航空機関(International Civil Aviation Organization、以下「ICAO」)の第233回理事会(本年10月9日~11月8日開催)において承認されました。 同承認結果は、10月28日付でICAO文書の改訂が行われ、ホームページ上で公開されており、以下のURLよりご覧いただけます。
https://www.icao.int/environmental-protection/CORSIA/Documents/CORSIA_Eligible_Fuels/ICAO%20document%2004%20-%20Approved%20SCSs%20-%20October%202024.pdf

国際航空においては、ICAO主導による脱炭素に向けた取組み(CORSIA*2)が進められており、航空会社が持続可能な航空燃料(SAF:Sustainable Aviation Fuel)の活用によりCO2排出量削減を行うためには、CORSIA SAFを利用することが必須となります。
本会では、国際海運の脱炭素に関する幅広い認証サービスを提供してまいりましたが、CORSIA SAFの供給体制拡大に取り組まれる関係の皆様から、ICAO規程に準じたSCS構築及び運用の期待が寄せられておりました。 これに応えるべく事業開始に向けた諸準備を進め、この度、ICAO理事会において承認されたものです。

CORSIA SAFのサステナビリティ認証*3を担うSCSは、これまでISCC(International Sustainability and Carbon Certification)とRSB(Roundtable on Sustainable Biomaterials Association)の欧州勢が独占していましたが、今般、本会が欧州以外で初めてICAOにより承認されたこと(世界で3機関目)により、CORSIA SAF製造事業者様のSCSの選択肢が増え、よりスムーズなサステナビリティ認証取得*4に寄与できると確信しております。

本会は、今後ともCORSIA SAFの普及拡大に向けて、関係の皆さまと共にCORSIA SAF製造事業者様をサステナビリティ認証の面からサポートすべく一層の取り組みを進めてまいります。

本会SCSに関する文書類は以下のURLよりご覧いただけます。
https://www.classnk.or.jp/hp/en/authentication/scs/index.html

*1: CORSIA 適格燃料(CEF:CORSIA Eligible Fuel)は、「CORSIA SAF」と「CORSIA LCAF」で構成される。
*2: CORSIA(Carbon Offsetting and Reduction Scheme for International Aviation:国際航空のためのカーボン・オフセットおよび削減スキーム)とは、ICAOが実施する国際航空を対象としたCO2削減の取り組み。CO2削減の手段として、CORSIA SAF及びCO2削減クレジットの利用が認められている。
*3: CORSIA SAFのサステナビリティ認証は14項目(GHG、Carbon Stock、CCS、水質、土壌、大気、生物多様性、廃棄物・化学物質管理、人権等)が対象。
*4: CORSIA SAFのサステナビリティ認証取得は必須条件。

【参考】ICAOは、航空機が排出する二酸化炭素(CO2)を2050年までに実質ゼロとする長期目標を採択しており、各航空会社は2024年以降、毎年2019年比で排出量を15%削減、もしくは、オフセットすることが求められています。 航空の脱炭素化に向けて燃料転換への取り組みが進む中、CORSIA SAFは既存のジェットエンジンや設備の改造を必要とせずに使用できるドロップイン燃料として、普及が期待されています。 一方で、現状においてCORSIA SAFは普及の初期段階で量的にも十分でないことから、供給不足リスクも懸念されていますが、この度のSCS承認が供給拡大の一助となるよう努力してまいります。

【日本海事協会について】
日本海事協会は、海上輸送の安全と海洋環境の保護に取り組む国際船級協会です。船級協会とは、中立的な第三者の立場から船舶の規則制定と検査を行い、商船の保険付保に必要となる「船級」を登録している団体です。
本会は、120年以上の歴史と全世界58カ国130カ所の拠点を有し、船級登録隻数9,000隻以上、隻数において世界最大*の船級協会です。また、100カ国以上の船舶の船籍国(旗国)から国際条約・地域規制に基づく検査および証書発行の代行権限を取得しています。
これら長年の船級業務の知見と経験を活かし、第三者認証機関として、品質・環境・労働安全衛生などさまざまなマネジメントシステム認証、GHG排出量の検証、再生可能エネルギー関連設備に関わる認証、自動車運送事業者の労働環境に関わる認証、無人航空機の操縦士試験および機体の安全性認証など、その事業領域を拡大しています。

* 2024年10月末現在CLARKSONS RESEARCH統計

以上

ポップアップウィンドウを閉じるボタン