Press Release

標題:
LNG燃料タンクに7%ニッケル鋼板を使用した石灰石専用船「下北丸」を船級登録 ~代替設計承認の取得により、新技術適用を拡大~

一般財団法人日本海事協会(ClassNK)は、常石造船株式会社建造、NSユナイテッド内航海運株式会社が保有・運航する日本製鉄株式会社、日鉄セメント株式会社向け石灰石専用船「下北丸」の船級を登録しました。

本船の推進システムには、川崎重工業株式会社開発の航行用のLNG専焼主機および入出港、停泊時用の2,847kWhのリチウムイオンバッテリが搭載されています。LNG専焼主機として国内初の事例となります。本船のLNG燃料タンクには、高価なニッケルの使用量を7%に抑えながら、従来の9%ニッケル鋼板と同等の性能の確保を目指し、日本製鉄株式会社が開発した7%ニッケル鋼板が使用されています。

本会は、7%ニッケル鋼板に対し、本会関連規則に基づく審査を通じ、IGFコード*1で使用が認められている9%ニッケル鋼板と同等の安全性を有することを確認しました。さらに、関係各社と本会が連携し、主管庁である国土交通省より代替設計承認*2が取得されたことから、7%ニッケル鋼板の本船への適用が可能となりました。

本会は、「下北丸」の構造、機関、材料などについて、本会船級規則などに基づく所定の検査を完了し、3月19日に本船の船級を登録しています。

代替設計承認の取得への支援、また、得られた知見による将来的な国際基準策定への貢献などを通じ、本会は引き続き新技術の円滑な使用環境の整備に努めてまいります。

以上


*1 国際ガス燃料船安全コード(International Code of Safety for Ships Using Gases or Other Low-Flashpoint Fuels)
*2 代替設計承認は、既存の条約における標準的な要件を満足しない新たな技術や手法の使用にあたり、技術面の分析やリスク評価により「同等の安全性」を有することを示すことで、既定の要件からの逸脱が認められるものです。代替設計承認は対象船舶の主管庁から取得される必要があります。


本船画像(NSユナイテッド内航海運提供)

ClassNK - EOD

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